




プロローグ
はじめは「ついで」の撮影だった。
既に内容の決まっている、別の展示の撮影。あとは彼女と息を合わせてシャッターを切るだけだった。
そのついでに、他の撮影もしようかなという程度だった。
彼女とは幼稚園からの幼なじみで、お互い中学生の時から何度か撮影するようになった。彼女との撮影はとても楽しかった。しかし、2人とも高校に上がってからはあまり会えなくなった。撮影のことしかやり取りのないLINEのメッセージも放置されていた。私も彼女ももう高校2年生。進路のことなども考えなければいけない学年だ。ふと、これが彼女との最後の撮影になるかもしれないと思った。
最後の撮影が「ついで」で良いのだろうか。
今の彼女と今の私が”今”作れる最高の作品を考えよう。
こうしてできた私たちの作品。
朝でも、昼でも、夜でもない。
こどもでもない、
大人でもない、
私たちの時間。
気だるくて、少し優雅な
「afternoon」
撮影はどうだったか?
それは、あなたの目で確かめてみてください。
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2022年
喫茶ナチュラルにて初めての個展を開催した時のものです。
展示作品をウェブ上に発表するのは初めて。
今、この物語の続きを作ろうとしています。
大人になったわたしたちをどうぞお楽しみに。
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